福島市水道事業経営審議会(令和7年度第1回)
水道事業の健全な経営を図るため、令和8年度から令和10年度までの次期財政計画策定について市長から福島市水道事業経営審議会に諮問しました。
「令和6年度水道事業会計決算」と新たに策定する「ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)と財政見通しの概要」について報告しました。
日時
令和7年7月29日(火)午前10時00分から午前11時30分
出席委員
7名(12名中)
内容
1 諮問
本市の水道事業は、本年で通水開始から100周年の節目を迎え、創設以来、市民の皆様に安全で安心な水を安定してお届けしてきたところですが、近年は、人口減少に伴う水需要の減少や頻発する自然災害など、厳しい事業運営が続く中、施設の効率的な運用やデジタル技術を積極的に活用し、健全経営に努めてきたところです。
しかしながら、社会情勢や経済状況の変化により、今後も人口減少に伴う料金収入の減少傾向が続く見込みであるとともに、建設資材の高騰や労務単価の上昇、更なる施設耐震化の推進など課題は多く、経営環境は、これまで以上に、厳しい状況になるものと見込んでおります。
次の財政計画期間である令和8年度から10年度までの3年間においては、スマートメーター本格導入に向けたモデル地区での実証実験や、自動水質監視装置の導入などによるDX推進、ふくしま田園中枢都市圏との新たな広域連携事業に取り組みます。さらに、更新需要の増大や激甚化する自然災害への対応を強化するため、東部地域の主要管路である茶臼森系主要配水管整備事業をはじめとする老朽管更新事業を推進、上下水道一体の取組として、救急病院等の重要施設に接続する管路の耐震化や、市民共創による運用を目的とした応急給水拠点の整備など、防災対策を着実に進めてまいります。
さらには、水源地域の関係機関と連携し、将来にわたり良質で安全な水源環境の保護に努めるとともに、環境に配慮した「マイボトル推進活動」など、水道水を身近に感じていただくための広聴広報活動も積極的に展開いたします。
以上の事業推進のため、現行水道料金での健全経営に努め、必要経費を計上した令和8年度から令和10年度までを計画期間とする財政計画の策定について、木幡市長から審議会に対して諮問しました。
・諮問書(PDFファイル)
2 市長挨拶
木幡市長のあいさつでは、「本市水道事業は令和7年4月に通水100周年を迎えた。摺上川からの取水へ切り替えたことで、安全でおいしい水を安定して市民に供給できるようになった。東日本大震災や風評被害といった困難を乗り越え、節目を迎えることができたことは、大変意義深いことである。
現在、基幹管路の耐震化を計画的に進めており、令和7年度中には耐震化率100%を達成する見込みである。これは全国的にも先進的な取組であり、市民が安心して水道を利用できる体制が整いつつある。さらに、上下水道の一体化を進めることで、効率的な経営を実現するとともに、災害時に復旧を担う事業者の確保にもつなげていきたいと考えている。
近年、全国的に水道料金を値上げする自治体が増えている。しかし福島市は、自然流下方式を採用しているため、エネルギー価格高騰の中でもコストを抑えることができている。今後もコストを抑えるため、効率的な経営を徹底する。人工衛星による漏水調査、小水力発電、スマートメーターや水中ロボットの導入など、新しい技術も積極的に活用していく考えである。
また、周辺自治体では人材不足や厳しい経営環境が課題となっている。そのため福島市は、企業団と連携しながら広域的な支援を行い、安定した水道経営を確保していく必要がある。
今後とも、市民に安心で安全な水を安定的に供給できるよう、効率的で持続可能な経営を進めていきたい。本日は幅広いご意見をいただければ幸いである。」と述べました。
3 水道事業管理者挨拶
水道事業管理者挨拶では、
「5月26日、福島テルサにて開催した水道通水100周年記念式典について、委員の皆様にご出席いただき、誠に感謝申し上げる。当日は予想を超える350名近くの方に参加いただき、1世紀という水道の歴史を皆様と振り返り、次の100年に向けてスタートを切る一つの象徴となったと考える。
また、この市役所複合棟(西棟)が今年3月から供用開始となった。それに伴い、行政棟(東棟)の7階にあった仮議場・議会事務局が複合棟(西棟)の4階・5階に移動した。これを受け、上下水道局は行政棟(東棟)の7階へ6月22日に引っ越した。これまで行政棟(東棟)の8階と9階に分かれて執務していたが、7階に移転したことでワンフロアに全部署が揃い、業務を開始することができた。これにより、職員間の連携や事務の確認などがより密に行えるようになったと実感している。今後も職員一丸となって事業に取り組んでいく所存である。
今年度は、令和8年度から10年間を見据えた「ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)」並びに同ビジョンに基づく令和8年度から10年度までの3年間の財政計画を策定する重要な年である。「ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)」については、今年2月に開催した前回の審議会で、基本理念や視点、体系などの骨子をすでに説明している。
本日の審議会では、まず決算概要について説明する。これは今年9月議会で報告する予定だが、議会に先立ち委員の皆様に説明する。その後、骨子を基にまとめた「ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)」と、計画期間10年間の財政見通しについて説明する。なお、本日11時ごろには市長が出席し、令和8年度から10年度までの財政計画について審議会に諮問を行う予定である。本日説明する「ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)」と財政計画については、予定ではあるが9月と10月の2回審議会を開催し、委員の皆様から答申をいただきたいと考えている。」と述べました。
4 議事
(1)令和6年度水道事業会計決算について(報告)
令和6年度業務実績表に基づき、給水人口や給水戸数の変化、さらに水道料金収入の基礎となる有収水量の減少等について解説しました。
決算概要では、前年度と比較して収益的収入が減少したものの、施設解体などに伴う資産減耗費が当初の予定より少なく抑えられたことにより見込みを上回る純利益を確保することができたことを説明いたしました。
・令和6年度水道事業会計決算の概要
・令和6年度水道事業会計決算書
(2)ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)と財政見通しの概要について(報告)
ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)に基づき、長期的な観点から水道施設を良好な状態に保つために計画的な更新を進め、さらなる災害に強い水道を目指し、将来にわたる安定供給確保と 水道料金とのバランスを意識した令和8年から令和17年までに取り組む事業について説明いたしました。
・ふくしま水道事業ビジョン2026(素案)と財政見通しの概要